奇妙な前提と会話が心をざわつかせる『イロアセル』
倉持裕が2011年に執筆し、鵜山仁の演出で上演された戯曲『イロアセル』が倉持自身の演出で、フルオーディションによるキャストで新国立劇場にて上演される。10月下旬、稽古場に足を運んだ。発する言葉に固有の“色”が付いてしまう(=誰が何を話したかがすぐにわかってしまう)人々が暮らす、ある島を舞台に展開する本作。ある日、島の丘に檻が設置され、本土からの囚人が収容されるが、この囚人と話す時だけ、島民たちの言葉に“色”が付かないことが判明。“匿名の言葉”を手に入…